慢性頭痛の子供に見られる行動の一つで、常に
他人の顔色を見ている子で八方美人的な行動をとります。友人も多く周囲で人がいると寄っていってテンション高くはしゃぐ一方で、その後に疲れやすく頭痛が出やすいようです。しばしば他者に否定されることに敏感で、周囲から否定されまい・疎外されまいと人に合わせすぎている子に頭痛がよくみられます。
この傾向がある子の頭痛は集団行動を伴う行事のあとに頭痛が出やすく、1学期は4月よりも5,6月に調子が悪く、夏休みは他者との集団行動が減るので頭痛も少し減り、2学期の体育祭・修学旅行などみんなとワイワイガヤガヤするような活動の合間や後に頭痛が増える傾向があります。
学校よりも集団活動が少ない塾の方が楽と自覚している子も多く、受験シーズンは生活スケジュールは過密になりますが集団行事は減るために、頭痛は減る傾向にあります。門限や生活制限がある中学生よりも、生活が自由な高校生の方が
「あっちに顔を出して、こっちにも顔を出して」と他者の中で活動が過剰になりやすくその合間の頭痛も増えるようです。
人に合わせやすい子
人に合わせやすく、人の中でテンションが上がりやすい子は、大人数でワイワイ・ガヤガヤとした活動の後や合間で頭痛が起こることが多いようです。「誰と何をした後に頭痛が起こりやすいか」を考えると頭痛の原因となる対象者やイベントがわかってきます。
このタイプの頭痛の子の場合は、
行動を抑制させると頭痛の頻度が減りますが、親が強制的に行動を抑制するのではなく、なかなか難しいのですが、本人との日常会話で
自発的に行動抑制するように仕向けるのが大事です。
近年は中高生でもスマホを持つのがあたりまえ、学校からもメールで連絡が来る時代になりました。特にSNS(ソーシャルネットワークキングサービス)は中高生にも欠かせないコミニュケーションツールになっていますが、
他者に過剰に合わせやすい子にとっては自宅にいても常に他者を意識しなければならない状態に陥りますので、このタイプの頭痛がある子は、自己抑制ができるようになるまで夜間・休日のSNSは強制的に抑制した方が頭痛の頻度は下がるようです。
一方で、他者に過剰ではなくとも不安が強くいつも大勢の中でおどおどしているような場合にも、
集団の中で慢性の緊張感をもっているために頭痛がおこることがあります。集団の中でいつも一歩引いているような心理・緊張が持続するためかやはり脱緊張期に頭痛がおこることもあるようです
。あまりにも対人不安が強い子は集団の中に入ろうとすると症状が出る、学校に行こうとすると頭痛がでるという事も少なくありませんが、
決して学校に行きたくないわけではないことを理解してあげてください。
人に緊張感を持ちやすい子
人に対して緊張感を持ちやすく、いつも一歩引いているような子も、人に振り回されて疲れやすいようです。大人数での活動の後や合間に頭痛が起こりやすいようです。対象者がわかればそこから距離を取るのは頭痛の予防になります。
この頭痛の例
12歳 6年生 女児
5年生ぐらいから時々頭痛を訴える。6年生ぐらいから頭痛を訴える頻度が増えてきた。夏休みはいったん頭痛が少なくなったが、2学期になって頭痛を訴える頻度が多くなってきた。もともと
友達は多い方で、皆の中に入るとテンションがあがりはしゃぎ気味になる。運動会、音楽会、修学旅行など
学校行事当日に休んだことはなく、その練習の合間や行事が終わった後に寝込む傾向がある。
これらは対人緊張・不安による頭痛の例にすぎません。子供・思春期の心理は不安定で論理的に解説できるものではなく、いろいろな心理・環境が子供に慢性の緊張にもとづく頭痛の原因となります。
頭痛を減らすためには保護者がそういう目で子供の頭痛を観察しないとなかなか原因がわからないままになってしまいます。
このページの先頭へ